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   WEISS最新製品を中心にハイエンド/パーソナル・コンピュータ・オーディオをご紹介いたします


 Dutch & Dutch社(以下D&D)は元々はオランダで産まれた音響技術専門の企業で、DSPの技術をPAに取り入れて画期的で独自のPAシステムを広く展開してきました。ですからDSPに関しては元々高度な技術を有しており、今回紹介するデジタルモニタースピーカシステム 8c の開発にあたっても、商業ベースではなく研究プロジェクトとしてスタートしました。一例を挙げるなら、8c のコンセプトに沿ったフロント・パネルのホーン形状を決定するのにも2年の歳月を費やしました。また試作器に至っては1000回以上のベータ版が制作されました。こういった経緯からも分る通り、8c はD&D社がコンシューマ・オーディオ業界に向けて満を持して開発・発表した製品です。

   FRONT PANEL            SIDE PANEL                   REAR PANEL

8c aanzichten.jpg

主な特徴


様々なリスニングルームの音響特性に合わせるサウンドシステム

 レコーディングに含まれるすべてのオリジナルのサウンド情報に対して、その制作意図に完全に正確な音楽再生を行なうには、徹底的に音楽再生に最適化されたスピーカーが必要です。そしてそれはリスニングルームの音響学的な条件に適応して動作するスピーカーを必要とする、という意味になります。もちろんそれは従来からのスピーカーのように、スピーカーの特性に部屋の条件を合わせなければいけないようでは実現しません。そのためにD&Dではオーディオシステムに合わせて部屋を調整するのではなく、部屋に合わせてサウンドシステムが調整できるようなスピーカーを開発しました。それがD&D 8c です。

リビング夜.tiffリスニングルーム.tiffリスニングルーム2.tiff

 20Hz - 20,000Hz(+/-1db)という優れた周波数特性と、内蔵された独自のDSPによって実現されたすぐれた位相特性が評価され、現在世界のさまざまな録音スタジオやマスタリングスタジオで、メイン・モニターとして使用されています。

スタジオ1ch.tiffスタジオ3ch.tiffスタジオ1ch-2.tiff

Digital Amp+DAC+DSP+Network Renderer がAll In One

 元々の音源から何も足さない、何も引かない、真に正確な音楽再生の感覚を体験してもらうために、D&Dはこれまでのスピーカーシステムには無い数々の技術を8cに投入しました。独自のウェープガイド・ツイーター、カーディオイド・ミッドレンジ、境界結合ベース、そしてデジタルアンプ内蔵と独自のDSPによるアクティブ・ルーム・マッチングを組み合わせて、従来のパワード・スピーカーとは一線を画した存在となりました。この結果、どんな部屋でも素晴らしい音響再生が可能となりました。特に低域の再生能力には目を見張るものがあります。さらに現在Network Rendererとして使用できるようにRoon対応ソフトを開発中です。まさにAll In Oneのスピーカーと言えます。

樹脂バッフル.tiffsubwoofers .tiff内部パーツ.tiff

キャビネット構造

 一見するとブックシェルフ型に見えますが、全面と後面では分割された構造になっています。後ろ側はサブ・ウーファー専用の密閉チャンバー、フロント側は側面に拡散する音のエネルギーを、ミッド・ウーファーのバック・ウェープで相殺するための特殊なスリットを備えたシールドタイプの組み合わせとなっています。クロスオーバー・ポイントは1,250Hzと100Hzで、サブ・ウーファーは100Hz以下を受け持ちます。

1)フロントバッフル

 独自のウェーブガイド/カーディオイドを形成したABS樹脂製のパネルとプライウッドが一体になったバッフルボードで、共鳴を防ぐために特別な消音コンパウンドが噴霧塗装され、表面から見えないようにスチールロッドで木製キャビットに固定されています。位相干渉を徹底的に追求するために、このホーン形状の決定には2年の歳月を費やしました。

2)キャビネット本体

 外部パネルは厚さ19mmの無垢材のオーク材で作られていますが、内部構造は18 mmのバーチ合板製です。ラベテッド・ジョイント(さねはぎ継手)と広範囲に施されたブレースとを組み合わせて、大変強固です。

ミッドウーファ白下.jpg

エンクロージュア.png

スピーカーユニット

ツィーター.tiffツィーター(HF)ミッド・ウーファー.tiffミッド・ウーファー(LF)リアウーファー.tiffサブ・ウーファー

1) ツイーター(HF)

 アルミニウム-マグネシウム合金製振動板に磁性流体を採用したドームツイーターを採用しています。この強力な1インチ・ツイーターユニットと巨大な8インチウエーブガイドによって高い指向性を確保しています。さらにこのウエーブガイドだけでなく、バッフルサイズやベゼルエッジ・フィレットの形状は綿密に設計されているため、周波数特性は軸上・軸外でほぼ同じです。

2) ミッド・ウーファー(LF)

 8インチウーファーにはセンターとエッジに特殊加工されたポリプロピレン、コーンには軽くて硬いアルミニウムを使用しています。その高い内部減衰と先進のサラウンドデザインはウーファーの動作範囲で共鳴を抑制します。ロングボイスコイルはアルミボビンに巻かれており、高い放熱効果と高耐入力を実現しています。またパッシブカーディオイド(単一指向性)キャビネットは音楽再生に影響の大きい後方放射を15 dB以上減衰させるため、部屋とスピーカー自体の残響を減らし、非常にバランスのとれたパワーレスポンスを実現します。この画期的なキャビネット・デザインは、100 Hz以上で一定の指向性を提供します。

3) サブ・ウーファー

 リアシールドキャビネットには、2つのロングストローク、ハイパワー8インチサブウーファーユニットを収納しています。ローQキャリブレーションは、コンパクトかつコントロールが可能で弾力性のある低音を実現します。後部壁を仮想の反射スプリングボードとして使用するため、スピーカーの後部壁面の反射に対処するよりも、むしろスピーカーと壁は前方に放射する半球の形でリスニングポジションに向けてコヒーレントな波面をつくるためのシステムを形成しました。このコンセプトは、アコースティックリサーチで働いていた有名な音響研究者兼ホーンデザイナーのRoy Allison(1927年 - 3月1日、2016年)のアリソン・アプローチと呼ばれているアイデアが元になっています。彼はより良いスピーカーと部屋のインタフェースのために、部屋の壁面に近い位置に低音ドライバを配置するというアイデアを思い付きました。D&Dはこれは非常に賢明な方法だと考え、8cに実装するための綿密な研究と現代の高精度DSP技術の組み合わせによって、理論を現実に完璧なものにしました。

一般的なスピーカー背後壁面からの反射・定在波の影響       8cの背後壁面からの反射を除去した状態     
8C_boundary_feature.jpg

 これをBoundary Coupled Bass(BCB/境界結合低域)と言い、8cと壁が音響的に結合している場合に、2つは単一の音源として機能します。8cでは Boundary Coupled Bass(BCB)に3つの利点があります。

 ・スピーカーの直接音と境界反射との間の有害な干渉を回避します。
 ・低周波数のヘッドルームが最大6 dB増加します。
 ・ベースの指向性を高めることで、ミッドレンジの指向性が良くなります。

内蔵アンプ・DAC/ADC・DSPユニット

 スピーカーユニット以外にも、8cの小さなサイズの中にハイエンドのDAC、アンプ、DSPが ”All In One”で内蔵されています。このシステムには、ルームマッチングとストリーミング機能が組み込まれています。各コンポーネントは完全にマッチングされており、非常に高いS / N比を維持しながら、35 Hzから合計106 dBの「広大なサウンド」を提供します。

1) Class D アンプ1chに3組の帯域別デジタル・アンプを内蔵

 8cは独自のDSPによる位相補正やサウンド・コントロールを行なうため、ツィーター・ミッドレンジ・サブウーファーそれぞれ専用駆動用に、1チャンネルにつき3台のDクラス・アンプが内蔵されています。出力にはデンマークのPascal Audio製 S-PRO2 Dクラスモジュール(Jeff Rowland Model 535と同等)を使用し、3つのアンプは高域250W・中域250W・低域500Wの大出力を供給します。音質は非常にナチュラルで強力な駆動力を持っています。

2) DSP

 DACチップには TI製 PCM4104、ADCチップ にはTI製 PCM4202を使用し、背面壁からの距離、EQなどDSPのパラメーター設定に使用されています。DSPは全周波数帯域の位相状態を補正するだけでなく、デジタル音量調節が可能です。一般的にはデジタル領域での音量コントロールは音質面からあまり好まれませんが、D&D 8cでは非常に高いビット精度で行なわれているため、音質の劣化の心配はまったく無く、安心して使用できます。その繊細さと純度は従来のそれとは一線を画します。

3) 多彩な入・出力

 入力はデジタルAES / EBU、アナログXLRに加え、独自のClarkTM Webベースのリモートコントロール設定用のLAN接続(RJ45)を備えています。また現在Roon ready対応のソフトウェアを開発中で、将来は家庭内でのLAN接続によるNASやストリーミング音楽プラットフォームのネットワークレンダラーとしても機能します。

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DSPデジタル処理技術の導入

 D&D 8c の最大の特徴は、リスニングスペース固有の定在波や壁面からの反射の干渉を取り除くために、徹底的に物理的かつ音響的な対策を採るだけでなく、大幅にDSPデジタル処理技術を組み合わせて導入したことです。以下にその特徴を記します。

1) 周波数特性

 20Hz - 20,000Hz(+/- 1dB)。以下すべての測定値は、オランダ・デルフト工科大学(注)の電波暗室で測定されたものです。その測定結果は本当にフルレンジのオーディオシステムと呼べるものです。以下のグラフのように水平軸45°以内ではほとんど減衰していないことが見て取れます。

水平周波数特性.png

2) 位相特性

 D&D 8cは、クロスオーバー設計(100Hzと1250Hz、4次の Linkwitz-Riley フィルタースロープ )に安定した高精度DSP(デジタル信号処理)を組み合わせたものです。FIRフィルタリングは、高電力処理と完璧なインパルス応答を保証します。DSPクロスオーバーの後に複数のD / Aコンバータが内蔵されています。

位相特性.png

3) 独自のキャビネットデザイン

 D&D 8c はユニークなパッシブカーディオイド (ハート形単一指向性) LFキャビネット設計を採用しており、100Hz以上は一定の指向性を提供します。このスピーカーは環境の干渉を受けないように設計されています。

Kardioide-kreistangenten.svg.png・・・372px-Kardioide-kreise.svg.png・・・フロント横曲面(小).jpg

 高周波部分はフロントバッフルが、その音響的に考慮された形状 (ツィーターをマウントしたホーンやバッフルサイドの複雑な形状) によって無限バッフル状態を作り出しており、この周波数領域以上の音波は後方に広がることはありません。8cのバッフル幅は27cmですが、音速が毎秒340mの場合には8kHzを超える周波数は前方にのみ放射されます。

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 低周波、つまり100Hz以下に関しては背面のユニットが受け持つため、正面からの直接音に干渉を引き起こすことはありません。

 残すところの8kHzから100HZの間の周波数は、通常ならば前部バッフルを迂回し後方の壁に反射して、直接音に干渉を引き起こします。そこで8cではミッド・ウーファーサイドに縦長のスリットを配置し、ウーファーからの逆方向の音波を使って、回り込み拡散する音波のエネルギーを相殺します。

 以下の測定結果でも分る通り、側面と背面に拡散された音波エネルギーは大きく減衰され、音源の持つ小焦点の定まった定位を妨げていません。

水平指向性.png

(注) デルフト工科大学(Technische Universiteit Delft)はTU Delftとしても知られ、オランダのデルフトにあるオランダで最大かつ最古の公立技術大学です。それは一般的に世界で最高の工学および技術のための大学トップ20の1つに数えられており、オランダで最高の技術大学とされています。以下の写真は測定時のものです。

8C vs Live.jpg

多彩なコントロール機能

1) Webベース・アプリで直感的なコントロール

 8cのシステムはWebベースのネイティブ・アプリケーションで直感的に操作できます。コントロールはPC、各種モバイルデバイスから行ないます。ネットワーク内のすべての8cをグループ化または個別に制御します。 LAN上で8cが自動的に検出された後は、音量、入力切り替え、背面と左右側面までの距離、パラメトリック・イコライザなどのDSP設定を完全に制御できます。これらの操作はインターネット経由でもオフラインでも可能です。

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2) マルチルーム・ストリーミング

 家庭内のLANネットワーク内で8cを各部屋それぞれに複数セットで使用すれば、そのセットをグループ化してそのグループごとにDSPの設定ができます。壁面からの距離やイコライジングなどそれぞれの部屋に最適な設定をした上で、同期した音楽をそれぞれの部屋で再生できます。

 8cはEthernetケーブル接続による最新のAVBネットワーク規格(IEEE 802.1AVB)を使用していますので、複数の8cのグループと直列に接続されます。アナログまたはデジタルのAES3(AES/ EBU)バランス入力に加え、デジタル音楽をストリーミングで直接転送することもできます。

01グループ(セット).jpg・・02入力選択.jpg・・09背面からの距離.jpg・・06左チャンネル - 高音設定.jpg

3) 更新が簡単な自動更新機能

 8cは業界の市場標準やトレンド踏まえて常時ソフトウエアの更新をします。D&Dが徹底的に新しいソフトウェアをテストした後に、クラウドベースのソフトウェア・プラットフォーム経由で登録された8cに更新されたファームウェアバージョンを提供します。自動更新の設定をしておけば、アップデートされたソフトウエアを自動的にダウンロードしてインストールし、新しい機能を追加します。

製品仕様


スピーカーユニット:LF (サブウーファー):8インチ アルミコーン×2
・・・・・・・・・・・MF (低域):8インチ MF (低域):8インチ アルミニウムコーン×1
・・・・・・・・・・・HF (高域):1インチ アルミ-マグネシウム合金ドーム

エンクロージャータイプ:LF:密閉型
・・・・・・・・・・・・MF:音響カーディオイド (ハート形単一指向型)

キャビネットの構造:サイドパネルとトップパネル:19 mm厚ソリッドオーク材 (ナチュラルまたは黒)
・・・・・・・・・・・内部構造:18mm厚バーチプレイウッド
・・・・・・・・・・・外のバッフル:注入成形ABS (白または黒)

■クロスオーバー:100 HZおよび1250 HZ、4次 Linkwitz-Rileyフィルター、線形フェーズ

周波数特性:30 Hz〜20 kHz±1 dB / LFカットオフ調整可能(調整可能)

アンプのタイプ:クラスD、力率補正、ハイブリッド冷却

■電  源:100V, 50/60Hz

アンプ出力:LFサブウーファー:500W  /  MF (低域):250W  /  HF (高域):250W

対応サンプリング周波数:AES3入力 44.1 / 48 / 88.2 / 96kHz

最大許容入力ワードレングス:24bit

デジタル入力:AES3 OVER XLR 左/右/モノチャンネル スイッチによって切り替え

デジタル出力:AES3ループスルー(XLR)

アナログ入力:AES3 OVER XLR
・・・・・・・・感度スイッチ:+ 4 DBU / -10 DBV
・・・・・・・・ピーク入力レベル:+ 24 DBU(+ 4 DBU設定)

アナログ出力:アクティブ・サブウーファー専用DSP制御外部出力

ネットワーク:Ethernet (RJ45) , AVBネットワーク規格(IEEE 802.1AVB)

■本体寸法(高さ×幅×奥行き):485 x 270 x 380 mm

カラーリング:white/natura black/natural black/black ( バッフル / キャビネット)

重量: 26kg (1台)

●希望小売価格…¥1,600,000 (ペア・税別) 発売日 2019年5月1日

仕様は予告なく変更される場合があります。