主な特徴
■DSP導入
現在のオーディオではたとえばデジタルEQ(イコライザー)一つとっても、ハイエンド・デジタル機器でありながら内部ではアナログ処理をしているものが多いですが(下図参照)、これはシステム内に余計なA/D・D/A変換が入ることを意味し、それが位相エラーや歪みの原因になりかねないと考えられます。しかしDSP502では入力されたデータを内部ですべて195.3kHz(40bit floating point)に変換し、DSPでデジタル信号処理した後に接続したDACにデジタル転送します。
・

■5つのDSPアルゴリズム
DSP502には、先に発売されたDSP502と同様に15個のデジタル信号処理チップ(DSP)が内蔵されています。現在実装されているDSPアルゴリズムは以下の5つです(搭載されているDSPならびにその機能はまったく同じです)。
・・・・・・・・・・・・・・Vinyl ( ヴァイナル・エミュレーション )・The EQ ( パラメトリック・イコライザ )
・・・・・・・・・・・・・・XTC ( クロストーク・キャンセリング )・Room EQ ( ルーム・イコライザ )
・・・・・・・・・・・・・・DYNAMIC ADAPTION ( ダイナミック・アダプション )
・・・・
※2つのEQ機能はレコーディング・スタジオのリファレンス『Weiss EQ-1』を組み込み
The EQとRoom EQのイコライザ部分には、世界中のレコーディング・スタジオでリファレンス機器として採用されているデジタル・マスタリング・パラメトリックイコライザ『EQ-1』(7バンド) の心臓部を移植しています。DSP502ではそのうち3バンドのパラメトリックイコライザとして機能しており、各バンドにはブースト/カット、周波数、Q /スロープのパラメータがあり、ハイシェルビング、ローシェルビング、ピーキング、ハイカット、ローカット、バイパスのモードで動作します。

■各種DSPはプリセット可能
DSPによる各種のパラメータは、それぞれに名前をつけて保存したり、グループ化してプリセット化する機能があるので、使用環境や目的に応じて瞬時に設定変更することができます。
■ファーム・ウエアのアップデート
DSPアルゴリズムが追加されたり更新された場合には、イーサネット経由でサーバに接続して新しいソフトウェアが利用ができます。
■192kHz/24bit対応の4系統デジタル入力
PCMに44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHzのサンプリング周波数と24bitワード長に対応する低ジッター高性能入力インターフェースを搭載。さらにUSBでは352.8 kHz、384 kHz、DSD64、DSD128をサポートします。内部の高精度/低ジッタ・クロック・ジェネレータによりD / Aコンバータ・セクションのクロッキングを行います。入力信号は最適な信号品質のために195kHzのサンプリング周波数に変換され内部では常に195kHzに固定されています。この方式はジッタ関連の影響を大幅に軽減するのにも役立ちます。
※レコーディング・スタジオのリファレンス・ソフト『SARACON』を組み込み
ファイル・フォーマットとサンプリング周波数の変換には、世界中のレコーディング・スタジオでリファレンス・ソフトとして採用されている最高の音質とこれまでにない変換速度を持つ SARACON が採用されています。

■4種類のサンプリング周波数によるデジタル出力
AES/EBU,S/PDIFによるデジタル出力のサンプリング周波数は、88.2 kHz, 96 kHz, 176.4 kHz, 192 kHz です。
■Roon Ready認証取得済み…NEW !(2019/06)
これまでLAN経由のネットワーク再生はUPnP/DLNAで対応してきましたが、このたびRoon Ready(※1)の認証取得・対応しました。これによりLAN経由で多機能・高音質で話題の音楽再生ソフトウェア・Roon(※2)のプレーヤーとして使用できるようになりました。
対応するサンプリング周波数は、PCM 44.1kHz〜384kHz、DSD64 / 128です。
このRoon ReadyはRoon側からの要請により、Roonの技術者とともにWEISS専用のRoon Readyとして独自に開発された物で、その開発には2年が費やされました。音質はもちろん操作性も極めて軽快です。
・

※1 Roon Readyとは…Roon は1つのソフトウェアに見えますが、大きく分けて「Control(操作部)」「Core(中核部、データ管理部)」「Outputs(出力部)」に分かれています。「Control」は画面操作を担当し、「Core」はライブラリ管理と音源の読み込みを行い、「Output」はDACを接続する出力部分にあたります。さらに「Output」はネットワーク上の別の機器に拡張することができます。オーディオ機器でこのネットワーク機能に対応したものを「Roon Ready」と呼びます。
Roonではネットワークオーディオにおいて、既存のDLNA対応ネットワークプレーヤーは使えません。Roonを使うことができるのはRoon独自のネットワーク伝送プロトコル(RAAT=Roon Advanced Audio Transport)に対応した機器である必要があります。そしてその機器のことをRoonReadyと呼びます。優れた機能とパフォーマンスを備えた高音質音楽プレーヤー・ソフトウエア "Roon" をネックワーク上で再生させるためには必要不可欠な機能です。
※2 Roonとは…Roonは高音質再生で著名な統合音楽再生ソフトウエアであり、使用に際してはMac や Windows 機器にインストールするか、再生対応のサーバーを使用します。その主な特徴はハイレゾ対応はもちろんのこと、カバーアートやCDブックレット、歌詞を含む広範囲のメタデータ・サポート、NASからのファイル再生のサポート、TidalとQobuzからのストリーミング再生、インターネットラジオ、マルチルーム機能、MQAデコード、Signal Path の表示など多岐にわたっています(詳しくはこちら)。
▲Roonの操作画面
・DAC502/DSP502 が Roon Ready に対応することで、またひとつネットワーク・オーディオ機器としての可能性が広がりました。
■3つのユーザー・インターフェイス
DSP502の操作は、次の3つのユーザ・インタフェースで行えます。
・・・- フロントパネル上のタッチスクリーンとロータリーノブでの本体直接操作
・・・- 赤外線リモコン
・・・- PC/Macやタブレット等を使用したインターネット・ブラウザによるWebインターフェイス
![[パネル説明 Roon対応].jpg](../_src/sc2714/205b83p83l838b90e096be20roon91ce899e5d.jpg)
■専用リモート・コントローラー
専用のリモート・コントローラーで以下のようなDSP502の全ての操作が行うことができます。
・入力選択・出力選択・音量調整・出力レベル・ミュート・絶対出力極性・DSPプリセット
■基本性能にも新開発技術を導入…電源強化
強力な非スイッチング電源が使用されています。すべての敏感な電圧には、デジタル出力で最高のジッタ性能を得るための独自のレギュレータが装備されています。電源スイッチは、電源電圧のゼロクロス時にのみオンまたはオフに切り替わる半導体リレーを作動させます。これにより、これによりノイズのない電源の切り替えが保証されます。2つの主電源トランスはトロイダル型です。メイン電圧の選択は他の電子機器に供給される前に、電圧を測定することにより自動的に行われます。 |