AZ TOP写真.jpg

   WEISS最新製品を中心にハイエンド/パーソナル・コンピュータ・オーディオをご紹介いたします

CC1トップ.jpg


 Grimm Audioは、2004年にオランダの有名な4人のオーディオ技術者、Bruno Putzeys, Guido Tent, Peter van Willenswaard そして Eelco Grimmによって設立されたオーディオ機器ブランドです。彼らによって、オーディオエレクトロニクス、音響、物理学を統合し、長年にわたりプロフェッショナル・エンジニアや、オーディオファイルから圧倒的な評価を得た機器を開発しています。

 今回紹介するクロック・ジェネレータ/ディストリビュータ CC1 Mk-Ⅱは、オーディオ業界で最も低いジッターのマスタークロックとして有名で、2017年に世界のトップ5のマスタースタジオであるMastering Labでは、3つのスタジオでCC1 Mk-Ⅱをデジタルマスタークロックとして使用されています。プロフェッショナルな分野では、これを「House Sync(ハウス・シンク)」と呼んでいます。

FRONT PANEL


CC1フロント.jpg

REAR PANEL


CC1リア.jpg

主な特徴


■測定器を超える安定性

 Grimm Audioは優れた音質・音楽性を考えた場合に、できる限り安定したクロックを生成することが重要であるという結論に達しました。その結果、性能を評価する要素についても、パワーサプライやオシレータ制御回路のノイズ、低いレベルでのクロストーク成分などに目を向けて回路設計を刷新することによって、今や測定機よりも優秀なクロックの安定度を得られるようになりました。そのためご使用になっているコンバータなどのデジタル機器を驚異的に安定させることができます。

CC1_内部.jpg

44.1~192kHz対応、16台のデジタル機器が接続可能

CC1_clock_box.jpgCC1_フロント右.jpg
 CC1Mk-Ⅱには2つの独立したマスター・クロック出力があります。44.1kHz及び48kHzを基準周波数とし、その1・2・4倍のクロック周波数(つまり44.1、88.2、176.4 / 48、96、192kHz )を2つのグループに分けて、16台ものデジタル機器に出力させることができます。さらにAES/EBUも出力可能です。

■ハイエンド・オーディオと並べて違和感の無い優れたデザイン

 フロントパネルにアバチ材を使用したユニークなデザインは、他のすべてのグリムオーディオ製品と同様にプロ用・スタジオ機器のスペックを持つ内容でありながら、ハイエンド・オーディオ機器と組み合わせて設置しても違和感の無い高品位なものとなっています。

なぜGrimm CC1 Mk-Ⅱは世界最高のデジタル・マスタ・クロックといわれるのか

 Grimm CC1 Mk-Ⅱは、0.6ps@10Hzという世界で最も正確なマスタークロック仕様を持っています。さらにCC1 Mk-Ⅱには、スレーブ・モードでのAES/EBU入出力用の特別な「クリーン」機能があります。このPLL(Phase Lock Loop / 位相ロックループ )は、90Hzのクロック・ジッター・エラーを10Hz(人間の耳は約20Hzから聴こえる)に減衰させることができます。10Hzで90dBの驚異的なジッタ除去率を達成し、さらに60dB/decまで向上させます。そのためAES/EBUクロック・リカバリ装置としても使用され、DAコンバータのデジタル信号のジッタを除去します。

目的によって異なる2つの機能・2つの接続方法

1・オーディオ・ユースではジッター除去で音質向上を図る「ジッター・リダクション」(スレープモード)


 ■ジッター除去・スレーブモード
CC1-Slave.jpg
 業務用機器とは異なり、一般的なコンシューマ用のデジタルオーディオ機器でクロック入出力を持つものは極めてまれです。したがってCC1をホームユースのオーディオで使用する場合には、マスタークロックとして使用するのではなく、スレーブモード接続することで、音源再生に影響を与える「周期ジッター」を除去することができ、音質向上が図れます。これは一般的なマスタークロックには見られないCC1の特徴的機能です。

 左図のような接続方法はスレーブモードと呼ばれます。ワードクロック・ケーブルを使用する必要はありません。左・上図のようにブレーヤー/トランスポートとDAコンバータの間にCC1をAES / EBUケーブルで接続します。CC1の高性能なジッター除去機能で接続機器のジッターを大きく低減させます。

 さらにスレーブモードの利点は再生周波数に応じてロックし、デジタル・ジッター・クリーニング機能を使用できることです。再生ソースのサンプリング周波数が44.1kHzから192kHzに切り替わっても再生する音源に同期してCC1の周波数も切り替わりますので、異なるサンプリング周波数の曲目を連続して再生することができます(接続する機器により動作が異なる場合があります)。

ジッター除去による音質向上の効果とは

 接続されたデジタル機器のクロック・ジッターが除去されると、S/Nが良くなりすごく背景が静かになりますが、いわゆるノイズ・キャンセリングとは異なり、音が整理されてくっきりとした立体感のある音になります。さらにフォーカス感が良くなるため、ボーカルやソロ楽器などの定位感が良くなります。音楽の生命力を損なうことなく静寂感が増し、空気感とフォーカス感が向上します。

2・プロ・ユースではシステム全体のクロックの同期をとる「マスター・クロック」(マスターモード)


 ■クロック同期・マスターモード
CC1-Master.jpg
 BNCワードクロック・ケーブルで2つ以上のデジタルデバイスを接続します。CC1は外部マスタークロック、すなわち「HouseSync」としてシステム全体の中核となり、16台までのデジタル・デバイスのクロックを同期させることができます。

 例えば左図のようにCD/SACDトランスポートなどとD/Aコンバータの両方のデバイスにBNCワードクロック入力がある場合には、左図のように接続します。CC1は外部マスタークロックとしてシステム全体の中核となり、トランスポートとD/Aコンバータのクロックを同期させることができます。

ただしCC1をマスタークロックとしてマスターモードで使用する場合には、CC1で設定されたクロック周波数と同じサンプリング周波数の音源しか連続して再生することはできません。

その他の接続方法


 ■入力機器のみにクロック入力が有る場合
CC1-接続OK.jpg ブレーヤー/トランスポートなど入力機器だけにクロック入力がある場合は、CC1とブレーヤー/トランスポートをBNC接続、 ブレーヤー/トランスポートとDACをAES / EBU接続します。

システム内のマスタークロックは必ず1つにすること


 ■DACのみにクロック入力が有る場合
CC1-接続NG.jpg 左図のようにCC1とDACをワードクロック接続すると、マスタークロックが同一システム内に二つ存在することになるので誤動作の原因となります。DACのみクロック入力がある場合はスレーブモードで使用します。

製品仕様


■主な仕様
 クロックの PLL 回路は、超低ジッタークリスタルオシレーター回路を基礎として、アナログとデジタルのハイブリッドで設計されています。マスターモードではオシレーターは温度補正されます。独立したレギュレータは 120dB もの電源電圧除去比を持ち、ハイインピーダンスのパワーサプライを持っています。したがって、さまざまな電流負荷の変化には無関係に安定しています。電源回路には直流電流しか流れません。

■ワードクロック
 -入力数:BNC × 1 または AES3 × 1
 -入力インピーダンス:75Ω
 -入力感度:1Vpp以上
 -出力数:BNC × 16 (グループ1 BNC × 8 グループ2 BNC × 4 AES3 × 1も可)
 -出力インピーダンス: BNC 75Ω/25Ω ( low:選択可能 )
 -出力電圧: 2.7Vpp(終端あり ) /5.5Vpp ( 終端なし) DCカップリング
 -ワード・クロック入力〜ワード・クロック出力のレイテンシ:50ns未満

内蔵クロック・ジッター 0.6 ps RMS( 10 Hz以上 )

クロック周波数 ( マスターモード ) 44.1/48 kHz ( およびその2倍、4倍 ) ±10ppm 5~50℃

クロック周波数可変幅 + 50 PPM(AES11グレード2に準拠)

PLLの性能(スレーブモード) 90dB減衰@10Hz 60dB / dec改善
                ※10Hz におけるジッター値を 90dB にまで減少させます。これは60dB/dec以上の改善になります。

■電  源 100V, 50/60Hz

パワーサプライ電圧範囲 100VAC +/- 20%

■消費電力 15W

■ヒューズ定格 500mA slow blow

最大周囲温度 50℃

■本体寸法 430W x 44H x 200D (mm)

フロント・ウッドパネルの材質 アバチ

●希望小売価格…こちらへ

仕様は予告なく変更される場合があります。